kanariya022006-03-13

さて、第1部セラ紹介も4人目です。
今回は究極兵器と呼ばれるエスターシャ=ローネについて。
ゴーレム姫でも最強格の強さを誇る彼女。
多分、フロア大戦でも圧倒的な力を見せ付けそうですね。
では、ひとまず恒例のキャラの生い立ちについてから。
どうぞ〜



古代と呼ばれた時代。
エスターシャ=ローネは生まれました。
いえ、創られたというべきなのでしょう。
彼女が生まれた頃、戦争という行為が行われ、兵器が投入され、殺し合いがなされていました。
ゴーレムも戦場を舞い、人を殺すという行いをしています。
戦争のきっかけはちっぽけなもの。
些細なすれ違い。
それがやがて大事となり、悲惨な出来事を巻き起こす。
戦争は長引き、より強力な兵器をと開発が進む。
しかし、少々性能アップしただけの兵器では効果は薄い。
圧倒的なる力を持つモノ、そのようなモノの開発を開発者達はしなくてはなりませんでした。
ただし、口で言うのは簡単ですが、そうしたものは容易には作れません。
研究と実験と…資材、歳月、そして製作者側の技術…様々なものが必要で、どれも足りないのです。
ゴーレムを作れるものであっても…。
ゴーレムは強い魔力があって初めて起動する兵器。
契約するだけの魔力を持っていなければ動かせない上、ゴーレムが強いのはそれだけの魔力を媒介としているからです。
強力な兵器として運用されていますが、画期的とも実用的とも言いがたい、いわば欠陥兵器。
すごい技術を持つ古代の人々でも、強力な兵器となると扱いづらい非実用的なモノしか作れないのでした。
悩みました。
様々なアイデアが出され、そして消滅していく。
ゴーレムには契約変化という人の思い描く姿に変化する性質を持つ。
これは兵器としてだけではなく、操者に愛を注がれる存在になれるようにとの思いもあります。
兵器開発者達は新たな兵器にそういう平和へとつむぐ、愛されるものを作りたいとも願っています。
故に、完全なる破壊のための兵器…そういったものは望まず、結果新兵器の開発を困難にしている。
そういった面もあります。
ただですら、難しい条件にさらに自分達で条件を付け加える…そのせいで制作の見込みすらなくなるほどに道が見えなくなります。
そうして開発が進まぬまま、時間が過ぎていきます。
しかし、戦争は続き、世界は待ってはくれません。
新たな兵器が開発されぬ状態、向こうは申し分程度ながらも新たな兵器を投入しているため、彼等側の勢力が押され始めるのは明白でした。
どんどんと圧され戦況は悪化、負傷者の数も、死者の数も数えられぬほどになってしまいます。
それは開発者の元にまで被害が及ぼうとしつつあります。
研究室の壁も破壊され、外の景色が一望できる。
あたりは瓦礫で、人の死した姿もそこいらで見られる。
逃げた人、死んだ人、そうしたものの中で、残った開発者は…一人だけ。
その一人は新兵器の開発をやめませんでした。
戦争に勝つために…平和のために…、一人その場に残りました。
「強力な力を持つ兵器を生み出す際に、強力な鎧は作ることが出来る」
「ゴーレムの持つ魔力増強システムを用いれば無制限に魔力を増大させることも…」
「しかし、それにはそれ相応の強力無比な魔力とそれをコントロールする技術が必要だ」
ゴーレムの理念を活かして強力な兵器を作ろうとすればこうなる。
ゴーレムはいわば肉体、その肉体を動かすエネルギーと頭脳は操縦する契約者の魔力によってまかなわれている。
故に、その膨大なエネルギーと操作する頭脳さえ確保できれば彼等はどんな強力な兵器だって生み出すことが出来るだろう。
…しかし、それが容易じゃない。
ゴーレムと契約できる魔法使いだってそう多くはないからだ。
ゴーレムより契約が難しいとなると、誰も契約できなくなってしまう。
それでは意味がない。
「方法はあるよ」
兵器開発者の娘の発言。
「私の脳を…魂を持っていって。そして…」
娘はくるっと回った。
荒れた街、瓦礫の外の景色を見る。死体の山。
「皆の…魔力を…抜き取って…命を全部吸って…目覚めさせてあげて」
「なんだと!?」
「パパの兵器…、ただの兵器じゃダメなんでしょ?だから…暖かい兵器を作って欲しいの」
「強くて平和にしてくれて…優しくて人を想える、そんな究極の兵器を」
「…究極の兵器」
「もし、作れたらパパ。神様だもん」
「だから…」
言葉は続かない。
話の途中、娘が何かを口にしようとしたその時、大きな音が鳴り…体が吹き飛んでいた。
開発者の思考は真っ白に。
何が起きたのか分からず、呆然とする。
娘に…倒れこんでいる娘の元に駆け寄る。
息もない。
すでに死んでいました。
娘を抱え、泣き叫ぶ父。
悲しみの声は長らく途絶えることはありませんでした。


「システム正常、エネルギーゲージ最大…」
「これは…凄い、なんという出力…」
大衆の視線、注目を浴びるのは青き髪の女。
その女がゆっくりと目を開く。
「…………」
無言のまま、周囲を見渡す。
「おはよう、エスターシャ=ローネ」
エスターシャ…ローネ。…それが私の名…ですか?」
「ええ、最強の兵器。究極兵器、エスターシャ=ローネよ」
「究極…兵器」
自身を自覚し、自分のすべきことを知らされるエスタ。
様々な物を見て、人と出会って色々な知識を持っていく。
やがて彼女も戦場へと向かうこととなります。
桁違いの力を持つ兵器、究極兵器として。
戦況を一変させ、多大な戦火を上げることなります。
しかし、目覚める前の彼女の記憶は何もありません。
自分の開発者と出会っても、何も思うこともなく…向こうが優しく接してくれるその様に、ただただ流されるだけです。
しかし、エスタも優しく接することが出来ます。自然に優しく人を想える…そんな兵器として。


再び研究室。
第2の究極兵器の目覚め。
「名。あなたの名はシルフィン=アビスというらしいです」
「シルフィン=アビス…」
「私はエスターシャ=ローネ。…エスタと呼んでください」
「そうか…なら俺はシルフィと」
「ええ。よろしくお願いします、シルフィ。共に…良き未来を…」


戦争は終わり、平和が戻りました。
時代は過ぎ、彼女と共に生きた人達も命を全うしていきます。
次なる世代の者達、もっと後の世代の者達は次々と外へと広い世界を歩んでいきます。
エスタは彼等を止めることなく、快く見送りながら、やがて一人となってしまいました。
一人になっても、かつての街が湖の底に沈んだとしても、その地を離れることはありません。
湖の底に眠る古代の街。
水の都とも呼ばれるその街を守るため?いまだ眠る古代の兵器を守るため?
確かにそういった使命も持ちえているでしょう。
しかし、彼女の愛する人々が、彼女を愛した人々が眠っているこの地を…誰よりも大切に思っているから。
離れられないのでしょう、離れたくないのでしょう。
究極なる彼女を生み出した開発者は当時「神」と呼ばれました。
戦争を平和へと導いた立役者。そしてなによりエスタのような心優しいものを生み出した者故に。
そして、その呼び名はエスタにも付けられます。
「神の遺産」と。
エスタもお気に入りのようです。


さて、話は現代へ。
平和な毎日。
いつもと変わらぬ日常で、安らかに過ごす1日。
しかし、何かが来るのを感じます。
2つの強力な魔力。
ヘヴンズクラスの魔力が2つもです。
接近するそれに、エスタは神殿から顔を覗かせ、確かめようとします。
すると、二人は何を思ったのかゴーレムで争いを始めたのです。
派手な対決は神殿はおろか、山、さらには水中にも突き刺さるように魔法を打ち込んでいます。
これらの行為、当然エスタには抑えられるものではありません。
湖に眠るゴーレムを呼び覚まします。
「セイオーン、あの二人を止めて!!」
と…。



はい、エスターシャ=ローネの話でした。
半分エスタ製造日記みたいなもんかな?w
ステアの回でも出てきたシルフィ、気になる人もいるんじゃないでしょうか?
第2部でもまだ未登場の究極兵器ですからね。
彼に関してはおいおい説明してきます。


エスタはシルフィ抜きにすれば最強キャラです。
フロア大戦には今の所リオ・パレス陣は出てくる予定ないんで最強キャラですね。
その強さはリン姫、キサラもショックを受けるほど。
フロア大戦では、さらにグレードアップしてセイオーンともども、脅威の驚かせ役になって欲しいものです。
セイオーンも現時点、最大サイズのユニットですからね。
エスタ&セイオーンの登場も楽しみですね^^